モロッコでは小学6年生の学年末にモハッドと呼ばれる試験がある。
小学6年生の学習を終了したことを証明するための試験で、この結果が悪くてもその後の進路等に直接的な影響はないと聞いている。(レベルの高い学校に転校したい場合は関係あるかも)
とはいえ、現状わが息子の成績は決して良いとは言えない。正直に言えばまずい状態だ。学校がおすすめする問題集を購入し、一緒にやり始めたのだがかなり苦戦中である。
試験科目
試験科目はざっくり言うとアラビア語、フランス語、算数。
アラビア語は私には完全にお手上げ。購入した問題集はアラビア語のページが1番多い。昨年末から週1回、学校の先生をしている知り合いに来てもらっている。週1回のペースでどれだけやれるか不明だけれどやらないよりはましと思うしかない。
フランス語はとりあえず文法を学校でしっかりやれと息子に言うのみ。問題集の巻末に同義語、対義語などの一覧表が付いていたのでどのぐらいわかるか息子に確認すると、予想外に良く理解できてる状態だったのでほっとした。
うちの息子の問題は算数。何か障害があるのかなと思うくらいできない。もうひたすら問題を解くしかない。けれどもこれがめちゃくちゃ大変で大変で...。

算数はあなたが教えてあげられるでしょ?
私は算数下手だから。

私も苦手ですけどね。
けどやるしかない…。
日本との違い
算数は世界共通と思っていたが、微妙に異なるところもある。例えば割り算。

日本だと割られる数の上に商を書くけど、商を右に書く形となる。慣れもあるけど、日本式の方が桁を間違えにくい気がする。
日本式でやって欲しい気持ちはあるが、息子が混乱するので学校で習った通りにやらせている。

小数点のある掛け算。
(訂正はとりあえず無視しておいて。)
3.9を3.90にして小数点をそろえている。私は小数点なしで計算して最後に点を移動させるだけと習った記憶がある。
分かりにくいなと思っていたら、教科書によっては日本と同じやり方をするとか。
息子の学校は6年生になって教科書を違う出版社の変えた。そこで違うやり方を知ったと息子は言っている。

私が一番驚いたのは単位換算という分野。
昔と違って日本でもヘクタールやアールを勉強するのは知っていたが、それ以上の単位があるのだ。
長さではdam,dm,
重さはt,q,hg,dag,dg,cg,mg
広さはda㎡ d㎡,ha,a,ca
私は読み方すら知らない。まだ体積もある。泣きたい。
単位換算の問題の必勝法は上の表を丸ごと覚えて数字を当てはめること。(それがいいのかはわからない)自力で計算するとかなりややこしい問題もあるけどこれを使うと簡単。
けれどもうちの息子はこの表の仕組みと使い方がなかなか理解できない。
そもそも実生活では頭で計算できる程度に知っていれば良くて、こんなに細かい単位覚える必要あるかなぁと思ってしまう。でもそれが数学なんだろうけど。
問題集のクオリティに難がありすぎる。
息子の理解度もなかなかだけど、この問題集もなかなかだ。具体例でいくつかご紹介してみよう。
■間違いが多すぎ。
あまりにも間違いが多すぎる。息子はもはやこの問題集の解答を信用していない。自分が間違えていても「この本が間違っている。」と言い出す始末。

問15は買い物した商品の合計の重さを出す問題。4点の購入+買い物かごの重さなのに商品が3点しか計上されていない。
問17は単純に引くべき数を間違えている。さらに最後に3で割る必要があるのに割っていない。

要するに穴埋め問題なのだけれど、マイナスを使わないとできない。
解答を見たら、しれっとプラスでかいてあった。

面積を求める問題。
息子は4×4=16、1.5×7=10.5、和を足して26.5㎡とした。よしよし、出来た!と思って解答を見たら…

3×1.5で計算している…。
解答作成者があまりにも注意力がない。これでは子供が自分で答え合わせすることはできない。

XOZの角度を求める問題の解答欄。
問題ページもZOYの角度は40°になっているけど、赤線を引いたところを見ると45°。
簡単な問題だから息子が「出来た!」って喜んで解答を見てもズコーッ~ってなる。

数点の買い物の合計を求めて、400DH出したらおつりはいくら?という問題の解答欄。
写真の一番下。25足した理由はなんだろうと問題を読み直してもわからない。
よくみりゃ、計算も違ってる。25は無視ってことで。
まだ4分の1も終わってない段階で出るわ出るわ、間違いだらけ。
■勝手に答えを割愛

たぶん1ページにぴったり解答を納めたかったのだろう、答えが抜けている個所に出くわす。
例えば写真のページでは問11の解答がない。一言「割愛しました」とでも書けばいいのに書かないから、そこから問題の番号が全部ズレるというミスを犯している。
■桁が微妙にそろっていない。

筆算の上段と下段がずれていることがある。大きい桁になるほどミスしやすいのだからきっちりそろえてあげて欲しいものだ。
私はそういうのが気になるタイプ。

いわゆる虫食い問題。黒点(・)1つに数字を1つづつ入るという問題。
やはりズレていて見づらい。それに黒点じゃなくて丸(〇)にすればよっぽど見やすいのにと思う。
■とにかく見やすくない。

問題の隣に番号を振ったのには理由がある。

解答がこちら。ひっ算にしてくれたのはいいが答えの並び順に一瞬戸惑った。こういう細かい不便さが多い。
ちなみに①と④の答えは間違っているし、⑤の答えが無い。
■全体的な構成がわかりにくい。
アラビア語が読めないせいもあるが、目次もなく何の説明もない。日本の出版物なら「答えは〇ページ」と書いてくれるだろうに、そんなものもない。答えページは自分で探してメモっておかないと面倒。
それでもこの問題集、よその学校でも使われている模様。
もしかしたら今後使う人もいるかもしれないので参考のために構成の説明を記す。

①扉ページ
「最初の学期」「数学」と書いてある。わざわざ翻訳したが大した情報ではなかった。

扉をめくると診断評価 (Évaluation diagnostique)というページ。
いきなり総まとめ的な問題?。
最初に現段階のレベルを把握しなさいということか?でもこのページにの解答はついていない。意味あるのか?めちゃめちゃ解答を探したのに!

次はカテゴリーごとの練習問題。(日本で言うところの単元的な。)
アラビア語とフランス語で表題(カテゴリー)が書いてある。下地がピンクのページ。これがこの問題集のメインと言える。

1つのカテゴリーの練習問題の直後には要点がまとめられている。
カテゴリー問題+要点のまとめがセット。
カテゴリーごとの練習問題が数ページ続く。

そのあとに解答群。表題の下の□で囲まれたアラビア語が「解答」の意味。グーグル翻訳ではソリューションと出る。
私はソーリューションと言えばコンタクトレンズの保存液としか認識してませんでした~。

解答のページが終わると「第1ユニットのサポートと評価」という表題のページ。
唐突にユニットと言う言葉が出てきた。だが、ようやく構成がわかってきた。
表題のアラビア語の前後に長い棒状の飾りがついているのが目印で、1ユニットの最後となる。
この「ユニットのまとめ」のページには基本的に解答が付いていない。(なぜか解答ありの場合があって混乱を招く)
その後はユニットが繰り返され、問題集の真ん中ぐらいにまた扉が出現して「二学期の数学」となる。
構成は1学期と同じ。最後に過去問らしきものがあるのが大きな違い。(まだじっくり見てないけど年度が書いてあるので過去問と推測した)。構成の説明終わり。
良いところ
悪いところばかり書くのは気が引けたので、この問題集の良いところを述べる。
①問題のレベルが高いものと低いものが混ざっている。
②カテゴリーごとにはなっているけれど分数、単位換算などは繰り返し繰り返し出題されている。忘れたころに思いださせることができるのが良い。
③学校または教科書による違いを感じることができる。具体的に言うと、息子の学校では分数の約分を重視していないように感じたが、問題集だと約分をすることが多い。私が教える時の参考になる。
chat GPTとグーグル翻訳
時を戻そう。問題集を始めてすぐのこと、問題が発生した。息子が「算数のアラビア語が分からない」と言うのだ。
この問題集の算数の問いは圧倒的にアラビア語で書いてある。パッと見でアラビア語の問題9割フランス語1割ぐらいの印象。
息子の学校では以前はアラビア語の数学、フランス語の数学と二本立てで授業があったのだが、アラビア語の算数は教えるのをやめたからわからないのだという。

聞いてないよ~
長期的に見ると算数の一本化は効率的で良いと思うのだけれど、目の前の問題として、問題が読めないから先に進めない事態に陥っている。(試験はフランス語の算数かアラビア語の算数か選択できるらしい)
一問ずつ写真を撮ってちまちまグーグル翻訳で翻訳していたら、息子が「1ページ丸ごと写真に撮ってchatGPTで翻訳した方が早い」と教えてくれた。しかも翻訳した問題を解くことも可能。解答なしのページの扱いに困っていたが無事解決!圧倒的な速さ。
私の生活にAIなんて無縁と思っていたが、いやー便利便利!!!

感動した!
(気分は小泉純一郎)
ただぁ!!!(←気分は霜降り明星粗品)
やはりアラビア語から日本語への翻訳は完ぺきではない。グーグル翻訳の方が上手い場合もあるし逆の場合もある。なんならどうやっても問題になっていなこともある。
①chatGPT②グーグル翻訳③付属の回答の3つを照らし合わせて、まず最初に問を正しく理解することから始めなければいけない。
気づいたこととして。
図形の作図問題には対応できない。残念。(というかまだ使いこなせてないんだろうね、たぶん)
それと、アラビア語の「و(ワーウ)」という文字を「g(グラム)」とか数字の「9」と読み込んでしまいがち。アラビア語って難関だなとつくづく思う。
諦めるわけにはいかない。
算数の問題は全部で72枚。半月ぐらいかかって10枚ぐらいやっとのことで終わらせた。(解答ページも含む。)
アラビア語の理解不能具合に泣きたくなり、
息子の出来の悪さ、やる気のなさについつい声を荒げ、けんかになり、
時間の足りなさに焦る。
でも諦めるわけにもいかない。やるしかないんだなー。
亀の歩みでもモハッドまで頑張るぞ!頑張らせるぞーーーー!