親はぐったり。学校行事、スペクタクルに行ってきた。 

子育て

先週、「スペクタクル」という、子供の学校行事に行ってきました。
毎年年度末に行われていたのですが、昨年度末はコロナのため中止。その後、我が家は引っ越しをしたため私の子供たちは今年度から別の学校に通い始めました。

モロッコの学校行事「スペクタクル」。
子供たちが経験した2つの学校のスペクタクルをご紹介します。

スペクタクルって何?

スペクタクルとは英語やフランス語でspectacle、見世物、ショー、興行というような意味です。
日本でいうところの学芸会や学習発表会という類のものになります。
モロッコの学校で必ず行われているというわけではなく、たまたま息子たちが通った二つの学校で行われていました。

学校Aのスペクタクル

最初に通っていた学校を学校Aと呼ぶことにします。
昨年度は、長男がCP(日本の小学校1年生と同等)になったのですがコロナでスペクタクルは中止になったので、学校Aではスペクタクルは幼稚園でしか経験できませんでした。

この学校はスペクタクルにとても力を入れており、学校の敷地内の地下には立派な会場があります。
学年ごとに開催日が分けられており、所要時間は3~4時間と長丁場です。
演目と演目の間には音楽が大音量で流れていますし、出し物が始まっても終始おしゃべりのざわざわが止まらないのでその場に行くだけで結構疲れます。

でも子供1人あたり4回ぐらいは出番があって、歌、ダンス、寸劇など自分の子供が出ていなくても楽しめます。子供たちよりむしろ私のほうが楽しみにしていたくらいです。

必要な衣装は学校側で準備しています。ただ、最後に舞台上で自己紹介(名前を言うだけです)の時間があり、その時は私服で登場です。
そのため、ここぞとばかりに女の子はお姫様のようなドレスやきらびやかな民族衣装で来る子が多いです。
男の子は、白いシャツにネクタイや蝶ネクタイをすればそれらしくなるので、らくちんです!豪華な民族衣装で来る男の子もいます。初めての時は何も知らず、息子にはきれいめの服を着せただけだったので、ちょっと恥ずかしかったです。

出し物はまさしくショー。ダンスでは上手な子がセンターをとるのはもちろん、長いソロパートがあったりします。劇ならセリフがめちゃめちゃ多い子もいれば、その他大勢的な子も出てきます。日頃の成績が優秀かそうでないかが、はっきりわかってしまいなかなかシビアです。
でも運動会で順位を付けないような昨今の日本の学校より、ずっとまともだなと感じます。

自分の息子以外の写真はほとんど残していなかったので、女の子の写真も残しておけばよかったとちょっと後悔しています。

学校Bのスペクタクル

今年度から新しく通い始めた学校Bのスペクタクルに先週行ってきました。

学校Aに比べるとかなりこじんまりしていて質素です。会場は校舎内の一室にあり、ちょっと広めの部屋に小さなステージがあります。保護者たちは並べられたパイプいすに座ります。私が子供の頃の学校行事のような雰囲気でした。冷房などあるわけもなく、もやもや暑かったです。

始まりは全員起立して国家を歌い、子供の代表が1人コーランを読みます。
次に、学校のオーナーから挨拶があったのですが12分もかかりました。開始前からすでにかなりの時間待たされているのでとても長く感じました。
一緒に行った夫によると、コロナ禍のなかで、あんなことやこんなことがあったという話だったそうです。

今から国歌斉唱です
だんなさん
だんなさん

誰でも知ってる話。時間の無駄。今日の主役は子供たちです。

ぼかいか
ぼかいか

こんな苦痛何年振りだろう。いやー、長かったね!

天井からぶら下がった飾りがモロッコっぽい。

学校Bも開催日は学年ごとでした。私の子供は年子ですので、初日に次男、翌日が長男と二日連続して出席です。この長い挨拶を2回も聞くはめになりました。内容は同じだったと夫が言っていました。

子供たちの衣装は、事前に次男は「ジーンズに白いシャツ」と先生から言われたので、数日前にあわてて白いシャツだけ買ってきました。
しかし、当日行ってみると、指定どおり「ジーンズに白いシャツ」という子供たちが多かったものの、ドレスを着てきた子もいれば、色つきシャツの子、カットソーの子などさまざまでした。

日本人の感覚だと「必ず同じに揃えなければいけない」と思いがちですがここはモロッコ。
学校が経済的に負担になることを強いるということはあまりないし、買おうと思っても手に入らない場合もあります。そもそも、言われた通りにしなければならないという意識はモロッコ人は希薄です。

ぼかいか
ぼかいか

まだまだ、自分が日本人の感覚でいることに気付かされましたー

肝心の出し物は、次男(小1)のクラスは舞台にたった子供たちが、一人一人、割り当てられたセリフを立ったまま、ただただ話していくという単調なものが多かったです。出番は個別で1回と最後に全員で歌を歌う2回だけ。正直かなり退屈でした。

ビデオを撮影しているためか、ミスした子は初めからもう一度やり直す機会が与えられ、保護者から暖かい拍手が送られます。年を取ったせいか、見ているとよその子でもなんだか泣きそうになります。

翌日の長男(小2)のクラスはちょっとレベルアップして劇もありました。時節柄、コロナを扱った演目が多かったです。

息子が出た寸劇はコロナウィルスが裁判にかけられるという内容でした。息子はコロナウィルスの役で鉄格子の中に入れられ「僕は最初に中国の武漢で発生しました」等、日本語でいくつかのセリフを言わされておりました・・。

事前に知ってはいたのですが、差別的な意識はないにしてもアジア人である私から見ると微妙な演出だなーと思いました。まあ、こんなことで目くじらをたてていたら、ここで生活していけないので気にしていません。オーナーが若干気にしていたようで、「ごめんなさい」と言ってくれました。

コロナ役の息子

本人はコロナのせいで嫌がらせを受けたこともないし、みんなに日本語が話せるということを見せられるのがうれしかったようなので良かったです。

最後の演目の子供たち全員による歌が終わり、帰るぞー!と思っていると、なんとまたオーナーがマイクを持ち話し出します。さすがに3分ぐらいで終わったのですが、次は保護者代表からの挨拶。これで終わりか?と思っていると、保護者の中から「私も話したい!」という人が次々出てきます。とりあえず4人続きました・・。内容は、ほぼ「この学校は素晴らしい!ありがとう先生方!」という賛辞だそうです。

だんなさん
だんなさん

形式的なお世辞だけ。マイクでしゃべりたいだけ。こういうの大嫌い!

その間、子供たちは舞台に立たされたままです。おかまいなしに保護者たちのマイクパフォーマンスは続きます。言葉がわからない私にとっては大音量で騒音を聞かされるだけです。
こういう騒がしい場所が大嫌いな夫は、もう我慢の限界。こそっと、息子を連れだしてもらい、一番乗りで我が家は退散してきました。
我慢していたらあと何人続いていたのでしょうか?夫の感覚が私と同じで本当に良かったと、心から思いました。

だんなさん
だんなさん

すごく疲れた。もう来年は参加させない。義務じゃないからね。

ぼかいか
ぼかいか

参加しない子もいたんだね。来年は子供に選択させてもいいかな。


学校Aと学校Bの比較

学校Aと学校Bの授業料はほぼ同じです。スペクタクルだけ見ると雲泥の差があり圧倒的に学校Aの方が素晴らしかったです。

ただ、学校Bが学校としてよくないか?というとそういうわけではありません。

学校Aは語学はいいのですが、算数は学年修了時点で書き込み式の教科書の空欄が目立ち、算数は1年生を終えてこのレベルではまずいだろうと夫と意見が一致しました。
学校Bは、書き込み式の教科書は、きっちり授業で順番に解いています。コロナ禍のため午前は学校、午後はオンライン学習という制約がある中で教科書の内容は理解できている印象です。宿題がある日も多く、教科書より難しめの問題が出される場合もあります。できる子はよりレベルアップできます。

モロッコでは英語の授業は小1からあります。学校Aはパソコンの使い方を通して英語を同時に学んでいくスタイルだったようです。
学校Bはそれよりも会話重視だったらしく、小2から転入した長男は新学期当初「みんな英語がペラペラだったよ!」と驚いていました。ちなみにパソコン授業ははフランス語で行われます。
どちらがいいというわけではありませんが、学校によっていろいろなんだなーと知りました。

学校Aはイベントや遠足もあって学校生活を楽しむ要素も多いです。それに対して学校Bは学業第一というスタンスのようです。学校によって得意分野や教育方針が違っているので、学校選びは重要だなーと思いました。(でも実際は学費と通学可能な距離かどうかの問題であまり選択肢はなかったというのが現実ですが。)

まとめ

スペクタクルは、拘束時間が長く疲れる行事ですが子供の成長を感じられる楽しい行事でもあります。
学校によって個性があり、上手下手もありますが、子供たちの頑張っている姿は微笑ましいものです。

夫は来年は参加させたくないようなのですが、私としては参加してほしいと思っています。

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