街で見かけたモロッコ語の看板広告をAIに翻訳・解説してもらいました。
モロッコ語はアラビア語の文字を使って書かれますが、abcのアルファベットに置き換えて表わすこともできます。できるだけabcスタイルのものを選びました。
なお、私はモロッコ語はできません。勉強を始めたばかりの初心者・素人のノートがAIを使って勉強したノート、覚書き(間違いがあるかも)だと思って読んでください。
いつもトップでいよう !

モロッコの電話会社インウィの広告。モロッコが世界に誇るサッカー選手、ハキミを起用しています!
Khalik DIMA TOP مع الريزو「いつもトップでいよう、最高の回線で」
Max débit 「最大通信速度(フランス語)」
inwi「インウィ(モロッコの通信会社)」
معاكم كل يوم「毎日あなたと共に」
Khalik DIMA TOP
「Khalik」 (خاليك / خليك) は
→「~のままでいなさい」「~していなさい」
→「stay / keep / remain」というニュアンス
「Khalik (خليك)」は、動詞 خلّى (khalla) から来ています。
- خلّى = 残す、置く、させる、放っておく
- 命令形では「khalli」=「残せ」「そのままにしろ」
そこに 代名詞接尾辞 -k (君 = you) がついて
→khallik = 自分を残せ / そのままでいなさい
という意味になります。
「Dima」は「いつも」の意味
. مع الريزو (m3a l-rizo)
- مع (ma3) = ~と一緒に / with
- الريزو (l-rizo) = フランス語の「réseau(ネットワーク)」をダリジャ風に発音したもの。
次のMax débit 「最大通信速度(フランス語)」とあわせて最高の回線でという日本語に翻訳。
معاكم كل يوم(ma3akum kul yawm)
- مع (ma3) = ~と一緒に / with
- -كم (kum) = あなたたち / you (plural)
→ معاكم (ma3akum) = あなたたちと一緒に / with you all - كل (kul) = 毎~ / every
- يوم (yawm) = 日 / day
→ كل يوم (kul yawm) = 毎日 / every day

前置詞のma3に接尾辞のkumを直につなげられるのが面白い!
私たちの場所!
モロッコにあるカフェの看板です。「私たちの場所」というお店です。

salon de théはフランス語でティールーム。
そのあとが店名Blast’naです。
(写真ではlの文字の電気が消えているので見えていません。)
1. 「場所=blasa」
- ダリジャでは「場所」のことを blasa (بلاصة) と言います。
- ダリジャの語彙はスペイン語やフランス語からの借用も多いですが、この blasa は「place(場所)」に由来すると言われています。
blast’na (بلاصتنا) 単語の分解
- blasa (بلاصة) = 場所
- -na (نا) = 私たちの
→ blasa + na = 「私たちの場所」

それならblasanaになるはずでは?
aがなくてなぜかtがあるな。
疑問1 なぜ a がなくなるのか?
- blasa は母音 a で終わります。
- その後に na がくっつくと、発音がつながって
- blasa-na → blas-na
- ダリジャでは母音がよく落ち、この a が消えやすいのです。
疑問2 なぜ t が出て来るのか?
- s + n が直接つながると、発音しにくい。
- そのため「橋渡し」のように t の音が入りやすい。
- こうして:blas-na → blastna
→ t は文法的な意味を持っているわけではなく、単に発音をスムーズにするための音。
疑問3 「 ’」 アポストロフィは何のため?
- 本来、アラビア文字では بلاصتنا と書きます(アポストロフィはありません)。
- ラテン文字で書くとき、blastna だと子音が詰まって読みにくい。
- そこで blast’na のように ’ を入れて、区切りを示す人が多い。
→アポストロフィは「ここでちょっと切って読んでね」というガイド。

なるほど~!
ファンタ!

日本でもおなじみの炭酸飲料FANTAの広告です。
これもまるっとAIに翻訳をお願いしました。以下回答です。
「Fanta madaq ajdad, abnan, aldad w’anta, kifach twsfou?」
日本語にすると:
「ファンタはおじいちゃんの時代から、父の時代、今の時代までの味。ではあなたは、どう表現する?」
- madaq ajdad = 祖父たちの味(=おじいちゃんの時代からある味)
- abnan = 父たち
- aldad = 世代(今の時代を指す)
- w’anta = そしてあなた
- kifach twsfou? = あなたはどう表現する?
つまり「ファンタは代々愛されてきた飲み物。あなたにとってはどんな味?」というニュアンスのキャッチコピーになっています。
フスハーとダリジャの混合
◆madaq ajdad, abnan, aldadこれらはフスハー(正則アラビア語)寄りの単語選び。
ダリジャなら「jdd」(祖父)、「baba」(父)、「drari」や「jil」(世代)などを使うことが多いです。
◆nta と ’anta
正しいダリジャでは「あなた」= nta です。
- ただし広告などでは、強調のために母音を加えたり、書き方をクラシック・アラビア語寄りにしたりすることがあります。
- ’anta (あんた) という形は古典アラビア語の発音に近い書き方です。ダリジャの口語では実際に言うときは w nta(ウンタ) と発音されます。

ファンタとw’antaで韻を踏みたかったのかもね。
◆kifach twsfou?
→ これは典型的にダリジャ。フスハーでは「kayfa tawsifuhu?」になる。
kifach(どうやって)や twsfou(君たちは表現する)はダリジャ的。
まとめ
AIはすごい!ダリジャはマイナー言語の部類に入るものだと思うのですが、それでもいろいろな質問に答えてくれました。モロッコ人でもこんなに丁寧に教えられる人はなかなかいないと思います。
サムネイルに使用した画像はまだ翻訳してません。良かったら挑戦してみてはいかがでしょうか?