モロッコ人の情報伝達のしくみ ジロジロ見てペラペラ話す!!

生活

モロッコのテレビでは「誰がどんな犯罪をおかした」という個人的なニュースは報道されませんが、皆いろいろなことをよく知っています。どうやって情報を得ているのでしょうか。今の時代はインターネットを通して知るということも多いですが、口伝いに広まる情報もかなりあります。今日はモロッコ人のおしゃべりによる情報の伝達の力について書いています。

だんなさん
だんなさん

Aさんがコロナに感染したよ。心配だね。

ぼかいか
ぼかいか

どうして知っているの?本人からメールでも来た?

その情報源どこなのよ?

Aさんは私たちの家の数軒隣に住んでいます。このあたりはまだ家がまばらな地域なので、お互いに困った時に助けあったり、情報交換をする間柄です。でも、本人から報告があったわけではありません。夫はどこから情報を仕入れたのでしょうか。

 実はAさんの家の隣には隣接した家があり、夫はその家の方とも知り合いです。この方はBさんとしましょう。Bさんによると

Bさん
Bさん

・Aさんは毎朝車で出勤していたのに、最近はずっと家にいるのよ。
・Aさんは家の中でもずっとマスクをしているの。
・以前はテラスで家族そろって食事していたのに今はAさんは一人で食事をしているわ。
・奥さんと子供たちと一緒に行動しているところもみなくなったわね。
・Aさんは最近、毎日自分でベランダに布団を干しているのよ。
これはね、コロナよ。Aさんはコロナに感染した、間違いないわ!

ということです。
隣家をのぞき見していること、人にペラペラいいふらすことに引いてしまいました・・。
正直なところBさんが我が家の隣人じゃなくて良かったとは思いましたが、Bさんが特別変わった人ってわけでもないと私は思っています。
モロッコで暮らして思うこと。みんな人のことが気になって気になって仕方がない!!そしておしゃべり!

ぼかいか
ぼかいか

Aさーん!めちゃめちゃ覗かれてるよ!気を付けて!!

悪意はない、いいこともある。

私は日本人なのでモロッコでは特に人からジロジロ見られます。でも一人で躊躇していたり、まごまごしたりしていると、すかさず声をかけてくれる人が出てくるのでありがたかったりもするのです。
前述のBさんも、差別的なことをいうわけではないし「Aさんはかわいそう。私たちも気をつけましょう」という気持ちなのは確かなのです。
仮にAさんがコロナだったとしても、自分から感染したと近所の人には言わないはずです。そんな場合には事実を知っていて損はありません。子供たち同士も友達ということもあるので用心に越したことはないと思います。Bさんの行為は地域の安全のために役立っているという側面もあるのです。

ぼかいか
ぼかいか

でもプライバシーの侵害はだめだぞ!

口伝いに情報が伝わる

だんなさん
だんなさん

ぼかいか、このトイレットペーパーがいいって聞いたんだ。買ってきたから使ってみてよ。

ぼかいか
ぼかいか

おお!本当に使いやすいよ!!1ロールがすごく長くて経済的!

このトイレットペーパーはすぐ品切れになります。テレビCMをしているわけでもないのに良い商品をみな知っているのです。ささいなことですが、これも口コミ、おしゃべりの力だと思っています。

また、私の義母は文盲です。この世代の方には多くみられます。時計も読めないし、電話を掛けることもできません。しかし、今日の午後水道工事があって水道が止まるとか、子供たちの学校の休みはいつからだとか本当によく知っています。どうやって情報を入手しているのでしょうか?

義母
義母

・友達の家を行き来しておしゃべりするのが何よりの楽しみ。
・近所のお店の人やご近所さんもみんなすぐ友達になるよ。
・モスクに行くと、宗教行事の予定や水道や電気工事の予定、その他いろいろを教えてもらえるんだ。行かなくても行ってきたご近所さんが教えてくれるよ。

こんな感じで情報を得ています。
それから義母を見て気が付いたのは、情報を得るために人のことを見ることもあるということです。字が読めないことは恥ずかしく思っているらしく、隠そうとします。そして外出先などでわからないことがあった時は人のやり方をじっと見てまねるのです。

まとめ

モロッコで生活していて嫌なこと、面倒なことといえばジロジロ見られること、余計なお節介が多いこと、おしゃべりなことなどです。でも考え方によっては、人の目があるというのは治安上いいこともあるし、お節介は親切心、おしゃべりは情報交換などと言い換えることもできると言いいかえることもできるのです。

追記 Aさんはコロナでした。

またAさんの話に戻ります。やはりAさんはコロナでした。奥さんが付き添いでAさんの入院が始まると、奥さんにメールでどこの病院に入院したか聞き出した人がいます。すると、その病院で働いている人を知り合いに持っているという人がAさんの容体について逐一報告してくるのです。
「Aさん、重症らしい。酸素マスクだって」
「Aさん、危ないかもしれない。酸素マスクをやめて、ヘルメットみたいのをしてるって」
「Aさん、危篤だって。」
「Aさん、亡くなった・・・」

その情報が入るや否や、近所の人たちがAさんの家の前に集まり出しました。ちょうどそこにAさんの奥さんが病院から帰ってきました。なぜ、こんな時に集まるのか私には理解できなかったのですが、みな、奥さんにお悔やみを言いたいということらしいです。こういうときには駆けつのがモロッコのやり方ということなのでした。

ちなみに、奥さんもこの時陽性でした。後から聞いた話では、父親を亡くして泣く子供たちを抱きしめてあげることもできなかったのがとても辛かったそうです。
私の子供たちと、Aさんの子供たちはSNSでつながっています。まだお互い小さいのでビデオや写真のやり取り中心なのですが、Aさんが亡くなって数日後、写真が送られてきました。左右に二人の息子置いて、Aさんが真ん中で笑っている素敵な写真でした。どんな思いでこの写真を送ったのか想像すると涙が止まりません。


高齢者でもなく、持病もない方たちもコロナでたくさん亡くなっています。窮屈な暮らしが続きますが、命があるだけでありがたいことです。このブログを読んで下さった皆さんもくれぐれもお気をつけ下さい。

ぼかいか
ぼかいか

地球人みんなで乗り切ろう!!

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