「マラケシュは観光地化し過ぎててイマイチ。」っていう人、たまにいます。
なぜだか、ちょっといらっとしてしまう自分がいます。最初はマラケシュが大好きというわけでもなかったのですが、長年マラケシュに住んでいると良いところもたくさん見えてきますし、愛着も湧いてくるようです。
そんなわけで、今日は観光案内ではない、マラケシュの生活の一コマを書いてみます。深い話はしてませんので友達との茶飲み話ぐらいの感覚でお付き合いいただければと思います。
マラケシュから見るアトラス山脈の景色。冬しか見えません。
私の大好きな景色だよ!
モロッコの国土の中央に背骨のように走るアトラス山脈。この山脈によってモロッコの国土は肥沃な平野地帯と砂漠地帯が隔てられ、山の表側と裏側では全く違った景色が広がっています。
アトラス山脈はモロッコ、アルジェリア、チュニジアの三国にまたがる山脈ですが、いくつかの地域に分類され、モロッコでみられるのは次にあげる地域です。
・オートアトラス(英語high atlasハイアトラス)
・モワイヤンアトラス(英語middle atlasミドルアトラス)
・アンチアトラス(英語anti atlasアンチアトラス)
要するに、高い山がある地域、中くらいの高さの地域、アトラス山脈の始まりの地域、ってこと。フランス語で言っているからちょっとわかりにくいけど、英語だと理解しやすいね。
マラケシュはオートアトラスを背後に擁した街です。オートアトラスには4000mを超える山が連なっています。
マラケシュに住んでみてはじめて知ったことなのですが、夏はアトラス山脈は全然見えません。なぜでしょうか?
夏は雨が少なく町全体が埃っぽい空気に包まれています。その空気がアトラス山脈を全て隠してしまうのです。そして冬が来て降水量が増えると、空気が澄み、雪化粧をした美しいアトラス山脈が現れるのです。
毎年、冬になるとこんな近くに山があったんだなーと驚かされます。モロッコは町の建造物には高さ制限があるため、景色の見渡しがいいです。車に乗ってちょっと買い物に行くだけの間にもところどころで見ることができるアトラスの姿は冬の風物詩と言えるでしょう。
日本でも冬の方が山がきれいに見えるたりするけど、そんなレベルではない。夏は山が消えた!って感じ。マラケシュの砂埃の威力はすさまじい!気温50℃になることもあるからね。
マラケシュ人の特徴
私の夫は日本語の政府公認観光ガイドです。夫の友達にも同様の日本語ガイドの方が何人かいて、日本にも詳しいです。その方たちがいう話なのですが
彼ら曰く「マラケシュ人は日本でいうと大阪人のような感じ」ということです。
アラビア語は各国によって方言があるということは知られた話ですが、モロッコ方言のアラビア語の中にもさらに方言があります。実際に、生まれてからマラケシュ以外に住んだことがない生粋のマラケシュ人の夫が、ラバトやカサブランカに行くと一瞬ですが聞き取ってもらえないことがあります。マラケシュ人はマラケシュ弁を話すということです。
そして、マラケシュ人は、話で人を笑わせることが大好きなのです。夫の場合はレストランでも、スーパーでも、検問の警察にも皮肉を交えつつも笑わせます。笑いの質や笑いのポイントは日本とは異なりますが、独自の方言のまま、人を笑わせようとする精神は大阪人と似ているのかもしれません。モロッコ人は本当に話が長くてイライラすることも多いのですが、この笑わせたいという精神も話が長くなる要因の一つである気がします。
この間、SNSで面白い話を流したら、世界中の何万人にも拡散されました~。ぼかいか、あなたの旦那さん、有名人ですよ~。
なんのお金にもならないんだけどね・・。「口だけは達者」の典型だけどさ、ガツガツしてないのがいいところかもね。
なまけものな一日。今日のおやつ
今日は、別に理由はないけど何もしたくない気分でした。専業主婦には休みがないので、勝手に怠ける日を作ります。昼寝をすると夫から「休めてよかったね」と言ってもらえます。休むことに罪悪感を持つ必要はないのです。
朝食、昼食は義母が作り午前中はのんびり。午後のおやつは、近くの農場で作られた手作りのリコッタチーズです。スーパーで売っているイチジクジャムをかけてみました。おいしくてしっかりおなかにたまる、なかなかいいおやつです。マラケシュには、こういった農場が結構あるので、新鮮な乳製品や卵など、モロッコ人の大好きなBIOな(無農薬、無添加、オーガニックなどのもの)が身近です。
夕方、義母が作ったハリラを食べました。ハリラは大人にとってはおやつ、子供たちには夕食です。夜は夫は外で夕食を済ませ、私にはサンドイッチのお土産を買ってきました。シンプルだけどおいしい。そしてすごいボリューム。
1日料理しないで済んだ。サイコー!!
まとめ
住めば都ってことかもしれませんが、マラケシュの生活は悪くないです。
日々、新しい発見や気づきがあります。
マラケシュは、昔々から観光地です。そこで生活している人がいて、文化があります。観光地だからつまらないと言ってしまうのは、ちょっと違うと思うし、もったいないなぁと思うんです。
世界中のベタな観光地巡りが大好きな私の感覚からすると、マラケシュはむしろ観光地としてはまだまだ弱く、足りない部分が多いと感じます。でも、エネルギッシュで独特な面白い町であることは間違いありません。
ベタな観光地行きたいなー。京都なんか何回行っても楽しいよねー。