ちょっと前に8歳の誕生日を迎えた息子。
大きくなったなぁ、手がかからなくなってきたなーとしみじみ。
そういえば、子育てにてんやわんやの中、割礼もしたなあ!
なんて思い出したので、今日はイスラム教の男児が避けて通れない、「割礼」の話です。
※写真 割礼後のお祝い会のためにおしゃれした息子たち。サルエルパンツだから施術箇所に触れなくて済みます。
割礼とは
割礼とは、衛生上の理由から男の子の性器の包皮を切り取る風習のことを言います。
子供のうちに施す包茎手術といったらわかりやすいでしょうか。
宗教によって割礼に対する考えは様々なようですが、イスラム教の場合、割礼は義務・強制ではありません。
しかし「習慣的なもの」「できればやった方がいいもの」という扱いではありますが、現実的にはモロッコではほとんどの人がしているものです。
行う時期は決まりがあるわけではなく、生後まもなくか、幼児の頃に済ませるのが一般的です。
割礼の方法
昔々は、床屋さんが割礼にちょうどいいハサミを持っていたという理由から、床屋さんがやっていたそうなのです笑。現在では病院でやるのが普通です。
レーザーでカットしてくれる病院に行ったという方のブログも拝見しましたし、全身麻酔してから施術する病院にいったという方も知っています。病院によってやり方もいろいろです。
我が家の場合はというと、公立病院に勤務する研修医の方を家に呼んで手術してもらいました。局部麻酔とハサミ(メス?)による切除というシンプルなスタイルです。
モロッコで医師になるためには、何年もの間、研修医として勤務しなければなりません。研修期間のお給料はとても少ないため、割礼をアルバイト的な感覚で請け負ってくれるのです。研修医としてそれなりに経験を積んでいる方、割礼経験の豊富な方を夫が探してきました。料金は個人病院より安く済むので依頼する方、される方ともにメリットがあります。
ようするに闇営業?
いざ手術!
私は怖いです。見たくない。二階に逃げます。なぜ、あなたは平気なの?
私も怖いよ。だけど親だもの、そばにいてあげないでどうするの!
イーヒッヒ!これはおめでたいことなんだよー
我が家には二人の息子がいます。当時2歳の長男と1歳前の二男を同日に割礼しました。
自宅の大きなテーブルが手術台となり、道具がセッティングされます。
最初は長男。嫌がる息子を義母と義弟が抑えつけました。そして局部麻酔です。
私と夫は隣で声をかけていましたが、私は切っている部分は恐ろしくて見れませんでした。
痛みではなく、恐怖による息子の「ママ!!」という声が忘れられません。思い出すと今でも涙が出ます。
20分ほどで長男が終了すると、次は二男。まだ1歳前、わけもわかっていない状態だったので、さほど騒ぐこともなくさっさと終了しました。
お医者さんから、おしっこをした後に拭き取りに使う薬剤とそのあとに付ける赤チンのような真っ赤になるスプレーを処方され、そのうえにガーゼを当てておくよう指示されました。
若い方は知らないかもだけど、赤チンというのは転んで擦りむいたときなどに塗る薬だよ。
恐ろしくて患部などとても見れないし触れない!と思っていましたが、数日間、夫が主体となって薬を塗ってくれたので助かりました。「怖い」と言い出した時は、キレそうになりましたが、結局は父親らしい態度をとってくれました。父としての成長が見られました(笑)
手術終了後は痛むのか?と心配でしたが、おしっこをふき取るときと薬を付ける時以外は、痛がることはありませんでした。
上の子はおしっこのあと、薬を塗るのを嫌がって逃げ回るので苦労しました。下の子はまだ赤ちゃんという感じだったので、逃げまわることもなく、痛さでぐずることもなく楽チンでした。
手術後の経過
どっちの子がどうだとは言いませんが、おちんちんのタイプが二人の息子で違っていました。
1人はすぐに大人と同じような形になったのですが、もう1人は、皮を切除したけれど、亀頭が露出せず、残った皮に隠れてしまう感じでした。
正直、何のための手術なんだ!と思った。
わかりにくいかと思うので手袋を使って説明します。
こんな感じになるのが理想ではないかと思います。
息子の場合はこんな感じ。
おしっこをするときなどは出てくるのですがこんな感じの時が多かったです。見るたびに不安になったものです。
※これから割礼をする子のママさんたちへの参考になればと思って書いています。ふざけているわけではありません。
お医者さんに見せると、少し手直しされ、「お腹が出ているから皮の中に入りやすい、成長するうちに自然な形になる」と言われました。
ちょっと、意味が分からないですけど。
私が2人の子供を比べた限りでは、皮の中のおちんちんのサイズが小さいからではないかと感じました。
数年たった現在は、まだ若干、皮に潜っている感じもありますが、ほぼ出てきました。
問題はないようです。とはいえ、デリケートな問題なので、夫には引き続き様子を見てもらおうと思います。
まとめ 今になって思うこと
今となっては、「体の形状の変更」という重大な問題を私と夫でやると決めたことに少し恐ろしさを感じたりもします。子供の人権は完全無視なわけなので・・。
でも、やらないという選択肢はありませんでした。
モロッコ人の父を持ち、モロッコで育つ子供たちですから、やって当然だと思ったのです。
とはいえ、ここで生活すると決めたのは夫と私。子供たちの意思ではありません。
割礼までしておいて、簡単に離婚して日本に子供と帰るなんてことはできない!そう思うようになりました。
帰りたいとか離婚するか悩んでいるわけではないよー。幸せだよ。
それから、割礼するなら物心がつかないうちに済ませてしまった方いいです。子供も怖い思いをしないし、親としてもケアが簡単。年齢の違う子を同時に割礼して感じました。
- 長男 2歳2か月△ もう少し早くても良かったかも
- 二男 8か月○ 簡単
ただ、おちんちんが小さめの子はあまり早くやらなくてもいいかなとも思いました。
追記
ずっと、息子のおちんちんに小さなほくろがあると思っていたのですが、ある日「ママ―!ちんちんのほくろ、引っ張ったら取れたよー!」と報告がありました笑
包皮切除後、亀頭が露出しなかったため、外側の皮と中のおちんちんを糸でつなぎとめて亀頭を露出させていたのですが、その糸の残りと思われます。
抜糸しなくても自然に溶ける糸とのことだったのですが、6年以上もとどまっていました!!