旅行者にも大人気 モロッコでハンマム(ハマム)体験

ハンマム サボンノワール 生活

今日はモロッコのハンマムについてご紹介したいと思います。

ハンマムって何?

 モロッコでは一般的に湯船につかるという習慣がありません。普段は家にあるシャワーで体を洗うのですが、どうしても垢がたまります。そこでハンマムへ行き垢すりをするのです。

ハンマムというのは簡単にいうと、蒸し風呂、スチームサウナといったところです。
地元の人が通うのは主にローカルハンマム。観光客向けにはマッサージなどもしてくれるスパ、高級ホテル内には独自のおしゃれなハンマムがあります。

ローカルハンマム

これは、一般的な地元の人が通うところで銭湯のようなところです。
まず入り口でお金を払って中に入ります。

中に入ると脱衣所になっているので服を脱ぎます。荷物を預かってくれるおばちゃんがいるので荷物を預け、バケツと自分のお風呂グッズを持っていよいよ中へ入ります。
備え付けのバケツもありますが混雑時には足りない時もあるので持参するのがベター。

ぼかいか
ぼかいか

服は全部脱いではだめ。パンツ一丁になるんですよ。

たいていのハンマムは、奥行きのある部屋になっており、壁で3つに仕切られています。

部屋の外にあるかまどで火をもやして熱源にしているのでかまどに近い部屋ほど熱いです。手前から低温の部屋、中間の温度の部屋、高温の部屋と続いています。
部屋の中はほとんど何もなく、水の出る蛇口とお湯の出る蛇口があるぐらいです。

好みの温度の部屋で自分が座れる場所を見つけたら、バケツにお湯と水を入れて体を洗います。

ぼかいか
ぼかいか

みんなが床に座ってその場で体を洗い流す。
ほかの人が流した髪の毛や垢が流れてこない場所を探すのがポイント。
たいてい椅子やマットを持参しています。

午前中の早い時間に行ったら部屋が温まっていなくて寒かったことがあります。行かれるかたはお気をつけくださいね。

体の洗い方の手順

別に決まりはありませんがモロッコ人はまず体を濡らし、サボンノワール(練り石鹸)を体に塗り垢が柔らかくなるのを待ちます。その間に髪の毛を洗い、終わったら石鹸を流し垢すりを開始するという感じです。

サボンノワールはスークにも売っていますし、荷物を預かってくれるおばちゃんのところでも売っています。

ぼかいか
ぼかいか

サボン=石鹸。
だけど垢をふやかすのに使うってことがポイント。

ハンマムで使うもの

 上から、サボンノワール(練り石鹸)、素焼きでできた、かかとの角質落とし、垢すりグローブ。
 垢すりグローブは、日本で見かける韓国垢すりタオルより若干厚手な感じ。

人々はこんな感じ

 髪を染める人、アンダーヘアを剃る人などいろいろな人がいます。

初めて行った時、パンツを脱いではいけないと聞いていたので、そこをどうやって洗うのか心配でした。現地人の様子を見ると洗う時には普通に脱ぎ、そのままずっと脱いだままでOKでした。出るときも裸で出る人が多いと私は感じました。

最初から脱いで行ったら楽なのになと思うのですが、文化なので仕方がありません。

 オプションとして荷物預かりのおばちゃんのところで、ハンマムレディによる垢すりを頼むこともできます。

ハンマムレディはたいてい体の大きな女性で上半身は裸だったりします。熱い中での作業は体力が必要なのでしょう、小柄な人だと務まらないのだと思います。

 なされるがままに、横になったり、ひざまくらしたりしながら、垢すりをしてもらうと太く長い垢がたっぷり出てきます。たくさん出るとハンマムレディに「スパゲッティできたよ!」と喜んでもらえます。

数回、日本から遊びに来た日本人と一緒に行ったことがあるのですが、日本人は毎日お風呂に入るせいか、垢がでない人もいます。そんな時のハンマムレディは少しさびしそうです笑。
 
 日本人の私が一人でハンマムに行くと、部屋のあちこちから「ヒソヒソ・・シノウィヤ、シノウィヤ。」と声が聞こえ始めます。シノウィ(女性はシノウィヤ)は本来中国人という意味だけれど、モロッコ人はアジア人をさしてこう呼んでいます。

 なるべく、誰とも目を合わせないようにするのですが、そのうちに私に話かけてくる人が出てきて「あなたは一人でかわいそうだから、垢すりしてあげるわ」ということになります。

 ある時、面倒なので断ったら、同居している義母の友達だったらしく、家に帰ってから義母に「なんで断ったの?」と聞かれ、気まずい思いをしたことがありました。

私にとってはローカルハンマムはあまりリラックスできないところです。 

ぼかいか
ぼかいか

ハンマムは地元の女性たちにとって情報交換やおしゃべりをするところでもあるから、気をつけないとね。

体を洗い終わって気がすんだら出ます。荷物のおばちゃんから荷物を受け取って、お金を払ったらおしまいです。

スパ・ハンマム

 主に観光客にむけたハンマムです。私はホテル内などの高級ハンマムには行ったことがありませんが、観光客向けのお手頃価格のスパ・ハンマムには行ったことがあります。

 私が行ったお店は、時間やコースなどが選べて、ハンマムの後にマッサージを受けることもできました。おしゃれで清潔なのでとてもリラックスできます。

ハンマムの中はベンチのようになっており、垢すりをしてもらえますが、時間が決まっているので、のんびり自由にという感じではありませんでした。

私が選んだのはリンパの流れをよくするようなマッサージで痛みを伴うものではありません。

日本から来た私の母とおば(ともに60代)も一緒に体験したのですがマッサージはただ撫でられているだけの感じであまりよくなかったといっています。

ぼかいか
ぼかいか

お店や担当者によってあたりはずれはある。

自宅ハンマム

 自宅にハンマムを作るという家もあります。モロッコの家はたいてい屋上があり、以前住んでいた家の隣家はそこに作っていました。地元の人にはローカルハンマムが一般的ですが、自宅に作ることがないわけでもありません。
自宅用ハンマムを温める方法としては木を燃やすタイプやガスを使うタイプがあります。

 モロッコに来て10年目になりますが、我が家も念願の自宅ハンマムを作りました。ローカルハンマムをそのまま小さくしたという感じです。ローカルハンマムに行くには着替えやらバケツやら準備が大変なのですが、そういう手間が省けたのと、人目を気にしないでいいところが気にいっています。

ホームハンマム

ホームハンマムの内部。我が家の場合は床と壁に銅線が入っていてガスによって温められる仕組み。

ホームハンマム

天井は水滴が落ちてこないように曲線でデザインされている。

ハンマムの天井

天井と壁の上部は、タドラクトという、モロッコのマラケシュ地域に伝わる技法を用いたもの。材料は石灰ですが仕上げに磨くと、耐水性、撥水性に優れ、うつくしいツヤが出る。タドラクトはハンマムだけではなく、室内外に使われます。

水が出る蛇口と、お湯が出る蛇口

まとめ

 私の子供たちはハンマムに入った後はすっきりしてぐっすり眠ってくれます。お肌も柔らかくなっているのがよくわかり、気持ちよさそうです。
モロッコの生活にハンマムは欠かせません。

モロッコに来たならハンマム体験はおすすめです。モロッコならではのガスールやサボンノワールを使ってみるのも楽しいと思いますよ。

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