今日は私が大好きなモロッコのスープのようなトマトサラダについて書いていきます。料理が苦手な方でも簡単に作れるシンプルなサラダです。
どんな、サラダなの?
地元の屋台などで炭火で焼いた鶏肉や、魚のフライなどを注文するとパンとポテトフライと一緒にこのトマトのサラダが付いてくることがあります。
まず、言えること。モロッコ人にとってはサラダという位置づけですが、スープに近いです。
簡単にいうとトマトをすりおろして、味付けしたものです。
モロッコ人の夫はこれをパンに付けて食べています。パンに付けたらパンがべちゃべちゃになりそうなので、私はやりませんが、モロッコ人は料理のソースやペースト状の食べ物をパンに付けて食べるので、このサラダもそういう食べ方になります。私はスプーンを使ってたべたり、お味噌汁のように器に口をつけて飲んだりします。
味はというと、みじん切りの玉ねぎときゅうり、コリアンダー、クミンの風味が感じられる冷たいトマトのスープという感じです。
生のトマトの冷たいスープ・・・。これって要するに
ガスパチョじゃないか!!と私は思うのです。
ガスパチョについて考える
私はスペイン料理で有名な冷たいトマトのスープ、ガスパチョが大好きです。ただ正直なところ、正しいガスパチョとは何かと聞かれたら自信がありません。いくつかレシピを検索したところ、日本人が言うガスパチョとは、トマト、玉ねぎ、にんにく、パプリカ、キュウリ、パン等をミキサーで撹拌して味付けしたものというのが大体のところかと思います。
ウィキペディアを見てみたら、面白いことがわかりました。
ガスパチョ発祥の地はスペインのアンダルシア地方である。
本来は木のすり鉢とすりこぎで素材をすりつぶしていたものの、今ではミキサーやフードプロセッサーを使うことが多い。しかし通の間では電気機器を使ってガスパチョを作るのは邪道であるという意見がある。野菜やパンはピュレー状にせず、角切りにするだけの場合もある。
「ガスパチョ」の語源はアラビア語で「びしゃびしゃしたパン」を意味すると言われているだけでなく、他に、ラテン語の「カスパ」(caspa、「かけら、断片」)とも言われ、さらにヘブライ語の「ガザズ」(gazaz、「ばらばらにちぎる」)とも言われている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンダルシアと言えば、かつてイスラムの支配下であった地域。モロッコの北方からフェリーで海を渡ると、すぐそこはスペインのアンダルシアです。ということはたまたまガスパチョに似ているんじゃなくて、アンダルシアから入ってきて形が変わったということかもしれません。モロッコ風ガスパチョと勝手に名付けることに戸惑いがありましたが、なんだかいいような気がしてきました。
次に、ウィキペディアで紹介されていた角切りにしただけのガスパチョの画像を見て驚きました。モロッコにはモロカンサラダと呼ばれる野菜を角切りにしたサラダがあるのですが、そのサラダと見た目がそっくりなのです。モロカンサラダに使う材料、調味料もガスパチョと似通っているので、こちらもガスパチョと関係があるのかなと興味深く思いました。
電気機器を使ってガスパチョを作るのは邪道!
ってなんかかっこよくないですか?
photo by Paul Goyette from Wikimedia Commons 角切りのガスパチョ
上の写真が角切りガスパチョ。左がモロッコのレストランのモロカンサラダ。この写真のサラダには、キュウリが見当たらないが、大抵は入っている。
確かなことは確認することはできませんが、大昔にはるばる海を渡ってやって来た食べ物が、形を変えながらもここに生き残っていると考えるととてもワクワクします。
私はパンをびちゃびちゃにして食べるのが好きです。
変な食べ方だと思ってたけど実は正しい食べ方なのかもね。
では、作ってみましょう!
前置きが長くなりました。早速作りましょう。
材料 1人分
トマト 1~2個
玉ねぎ みじん切りにしたもの 小さじ1
きゅうり 皮を剥いてみじん切りにしたもの 小さじ1
コリアンダー みじん切りにしたもの 小さじ1
クミン 小さじ1/2
塩 少々
酢 小さじ1/2
オリーブオイル 大さじ1
① トマトの皮を剥きます。モロッコではトマトを使う時は種のところを取り除くので横に半分に切って取り除き、すりおろします。(私はめんどくさいしもったいないので種の部分を取らないこともありますが問題ないです。)
② 玉ねぎ、キュウリ、コリアンダーをみじん切りにします。できる限り細かくした方が舌触りがよく私の好みです。
③ ①と②と塩、酢、オリーブオイルを混ぜ合わせて完成です!
クミンとコリアンダーを使うことで一気にモロッコ料理っぽくなります。パンを使っていないことも特徴です。お好みですりおろしたにんにくを少々入れてもGOOD。もしかすると日本人には少々あっさりしているかもしれませんが、よく熟したトマトを使ってトマトの旨味を感じていただけたらなと思います。すりおろしだと出来上がりが少々粗いので、機械を使ってもいいと思いますが、キュウリの食感は残した方が私は好きです。
モロッコでは、パセリとコリアンダーをよく使うので、私はみじん切りにして冷凍庫に保管しているよ。
まとめ
そのままスープとして飲んでもいいし、私は冷たいスパゲッティのソースとしても使います。暑くて食欲がない時にもさっぱり食べられますし、子供もよく食べてくれます。
私は料理が苦手です。作業工程が増えれば増えるほど、大抵おいしくなくなるからです。
でもこのスープは、火を使わず、切って混ぜるだけなので、ワタクシでもほぼ失敗がありません。新しい味の食べ物が食べたいという方は試してみてはいかがでしょうか。