私は料理が苦手です。モロッコでは自分で作らなければどうにもならないので、仕方なく日々料理しています。
こんな私が料理をして、日本とは食材の質が違うんだなと気がついたことをまとめてみました。
野菜はとにかく皮がかたい。
トマト、ピーマン、ナス等野菜や果物は全般的に皮がかたいです。モロッコの強烈な日差しのためかもしれません。
ピーマンやパプリカは、黒焦げに皮を焼いて使ったり、皮は残したりします。
トマトは皮を剥いて使います。プチトマトの皮もかたいので、たくさん食べると胃が弱い私は不安になります。
私は、ナスの素揚げが好きなのですが、モロッコのなすは皮がかたいので適していませんでした。
それと、日本のナスを基準に考えるとスーパーで売っているナスはやたら大きいし、市場のナスはやたら小さく丸っこいです。
義母はナスを輪切りにして、多めの油で焼き、塩をかけて食べます。こうすると素揚げに近くておいしいです。(皮はやはり残します。)
また、脂っこいナスが食べたいのなら、ザアールクというモロッコ料理がおすすめです。ザアールクの作り方の記事はこちら 料理が苦手でもできるモロッコのなす料理 ザアールク
大根なのか、蕪なのか?
大根は手のひらに乗るほどの大きさのものが売っています。
でもこれは日本と同じ大根と思ってはいけません。私は日本の大根と同じ感覚で煮物に挑戦しましたが、いくら煮ても柔らかくなりませんでした。圧力鍋を使わなければなりません。
モロッコの名物料理クスクスに入っている大根は柔らかくてとても美味しいです。
また、大根おろしも作ってみましたが、水分がとても少なく、パラパラとした状態になります。水を入れてみたら、わりと大根おろしっぽくなりましたが、悲しい気持ちになります。
大根というより蕪なのでしょうか?蕪だとしても水分は少ないです。
知り合いの方から自家製大根をいただきました。
売ってる大根には、葉っぱはついていません。
久しぶりに、大根の葉っぱを食べました。美味!
にんじんには芯があるので取り除く
ニンジンには芯がある場合があります。最近はめっきり見なくなたので、品種改良によって淘汰されたかと思っていましたが、市場で最近も見かけました。
白いところが芯。ナイフで取り除く。
じゃがいも、ズッキーニ、ニンジンを一緒に茹で、ミキサーにかけたスープを義母がよく作ります。
私も自分で作ろうと、白くて硬い芯を取り除かずに使ったらミキサーにかけても硬い繊維がざらざら残り、とても食べられるものではありませんでした。
芯を取り除くと芯からはとげとげした根のようなものが出ています。
クスクスにはニンジンが欠かせません。義母の作るクスクスは必ず芯が取り除かれています。
キュウリは種が多すぎる場合あり
子供の頃から大好きなキュウリの古漬けをモロッコで作ってたみたことがあります。塩水につけておくだけなので割と簡単です。
問題はキュウリの皮がかたい上に、種も多いことです。細めのきゅうりならまあまあ大丈夫ですが切ってみないと種の状態がよくわからないのがつらいところ。
私は古漬けは食べる前に薄切りにした後、水にさらして塩分を抜いて食べるのですが、種が多いと種が流れ落ち、かたい皮しかない漬物になってしまいます。
モロッコ料理では見かけませんが、種が多いキュウリは加熱調理して食べるのもありです。中華料理のレシピなどで見かけます。
セロリは葉っぱがメイン
日本でセロリというと茎の太いところをイメージする人多いのではないかと思います。
モロッコで一般的なセロリは茎は細く、葉っぱが多いものです。
モロッコ料理では茎も葉もみじん切りにして使います。
私は葉っぱの部分だけをてんぷらにして食べるのがが好きです。
日本で売っているようなセロリもスーパーで売っていますが、私は買ったことはありません。レア食材と言った位置付けではないでしょうか。
レタス
スーパーに行くと何種類ものレタスが売られています。普通にサラダに使って問題ないです。
一方、市場ではこれらのレタスではなく独特なレタスが売られています。サラダ、生野菜で使われるのが常なのでレタスだと思っているのですが、ちゃんと調べたわけではないのでよくわかりません。
私はかたくなに生野菜として使っていたのですが、「白菜みたいだな」と思ったのでみそ汁に入れてみたらやはり白菜みたいでおいしかったです。料理には柔軟性が必要だと理解しました。
ちなみに、白菜の代用として使うならチコリが品種的には近いです。白菜も小ぶりなものが売っています。高いので私は買いません。
柿は食べるまで甘柿か渋柿かわからない
秋になるとスーパーでは、柿が「KAKI」として売られています。
初めて買って食べたときは甘かったのですが、次に買った時は、渋柿でした。
聞いたところによると、渋柿の場合が多く、こちらの方は熟し柿にして食べるられているそうです。
モロッコ人にお馴染みの果物というよりは、フランス経由で入ってきた、比較的新しめの果物という位置づけになります。
買った渋柿は皮を剥いて4等分に切ってざるに入れ、日の当たる場所に放置したら、あっという間に干し柿になりました。モロッコの日差しの有効活用ができて満足です。
牛ひき肉は脂が多い。
イスラム国家なので基本的には豚肉はありません。(取り扱うスーパーもある)
牛ひき肉で餃子を作ったら、脂が多すぎておいしくありませんでした。餃子の中に閉じ込められたのは肉汁というよりは牛の脂です。お皿の上にこぼれおちると、瞬く間に固形になります。
野野菜多め、肉少なめで作ったらおいしくなりました。
肉屋さんでケフタ・レジームと言うと赤身で脂の少ないものを準備してくれるので、それを使えば良かったのかもしれません。というか普通の人は鶏ひき肉を使うのでしょうね。私はなぜか気が付かなかったのです。
ケフタはアラビア語でひき肉、レジームはフランス語でダイエットの意味だよ。
牛肉ソーセージを焼くとたっぷり脂が出ます。
調理中は揚げ焼き状態です。
最近気が付いたのですが、スーパーのひき肉やソーセージはこれほど脂は出ません。
個人の肉屋さんで買うと脂が多めです。
サーモンは脂が多い気がする
朝ごはんに焼き鮭が食べたいと思って鮭を買ってみました。
日本のスーパーで鮭の切り身を買った時のように塩を振ってから焼いてみたところ脂が多すぎて思ってたのと違う仕上がりでした。
和食よりもムニエルにして食べた方がおいしかったです。
スナップエンドウなんて売ってない。
モロッコではグリーンピースが鞘に入ったまま売られています。甘みがあってとてもおいしいです。毎回鞘から出す作業がめんどうなのですが、おいしいものを食べるためには仕方がありません。日本では、いろどりとして少量を使うことが多いグリンピースですが、モロッコでは、グリンピースはメイン料理になります。
私は初めて見た時、スナップエンドウだと思って、鞘ごとバターで炒めて口に入れてしまいました。鞘は硬くて食べられません(涙)
今思うと、鞘までもがみずみずしく新鮮なグリンピースだったのです。
小麦粉
小麦粉は日本のように、強力粉、薄力粉という分類で売られてはいません。いろいろな種類が売っているけど、実のところ何が何だかよくわかっていません。とりあえず、パティスリー用と書いてあるもので間に合わせています。料理が下手なのでそんな感じでいいのです。
使ってみて感じたことは水は多めでいいということ。乾燥している地域なので小麦粉の水分も飛んでるのではないかなーと思います。日本のレシピで作ると全然水が足りてないときがあります。
まとめ
日本にある食材でも相違点がいろいろあります。日本と食べ方や使い方が違うのはそういうことも関係しているんだろうと、生活して気が付きました。
料理が得意な人なら、ちゃっちゃとおいしく作れるのでしょうが、私はいまだに四苦八苦しています。まだまだ、失敗しては学ぶの日々は続きそうです。