次男から「僕の名前なんでこれに決めたの?」と質問されました。
なんでだったかなぁ?
今回は、当時を思い出しながら名前を付けた理由やモロッコ人の名前の話などを書いてみることにします。
名づけに当たり重視したこと
何年たってもアラビア語の発音は私にはとても難しいです。
一番重視したのは、とにかく「私が正しく発音できる」ということです。これだけで付けられる名前の選択肢はぐっと減りました。
夫側の親戚にタハ(男)とリム(女)という子がいるのですが、どちらも私には難しくて「違うよ」と言い直させられたり「え、何って言ったの?」という顔をされたりします。
毎回毎回だとお互いにストレスがたまります。発音はとても重要です。
名前は選択制
子供を妊娠して知ったのですが、モロッコではあらかじめ使用が認められたイスラム教徒の名前の中から選ばなければなりません。
私の長男の名前は当時流行っていた名前で、そこらじゅうにいます。学校ではクラスに必ず何人かいますし、外出先ではよその家の親が息子と同じ名前を呼ぶのをよく聞きます。
私は気に入っているのですが、「夫は同じ名前が多すぎるというのがちょっと嫌になった」と言っています。
そのため次男の時は、流行りすぎていない名前にしよう!ということになりました。
私はイスラム教徒の名前をそれほど知らないのでislamic nameやmuslim nameと検索して「ミカイル」という名前があることを知り、役所に夫が届け出を提出に行ったのです。
ところが、「モロッコで使える名前かどうかわからない。ラバトに問い合わせるので数日待って欲しい。」と言われ保留になりました。
選択制なら役所に一覧表でもあるのかと思っていたのですが、そういうわけではないようです・・。(数年前のことなので今はどうかわかりません)
数日たって再度問い合わせても「まだわからない」と役所から言われ、夫はイライラし始めました。
周りのモロッコ人の反応は
- そんな名前の人は聞いたことがない
- キリスト教っぽい感じがする
- え、何て言ったの?もう一回言って!
という感じです。
私の個人的な印象なのですが、名前に限らず、モロッコ人は他の人と被るということをあまり気にしないのかなと感じることがあります。むしろ、他人と同じなら安心という意識が強いのではないかとさえ思います。
そんな環境で突飛と思われかねない名前を付けたら、後々子供が苦労しそうなので、役所からの回答を待たずに「ミカイル」はやめにしました。
ちなみにミカイルは英語でいうところのマイケルだよ。
夫との感覚の違い。日本人にはわからない感覚。
私1人の子供ではなく、夫婦の子供ですから夫からもOKがでなければいけません。
私がいいなと思った名前も日本人の私にはわからない、感覚的な理由でだめということもありました。
ヒラルはどう?
田舎の人に多い名前。かっこよくない。
あくまで個人の感想ということだよね。
じゃあ、ナビルはどう?
それは、みかんの名前っぽい。
ネーブルオレンジのネーブルか。なるほど。
では、ノーマンはどう?
NO MANでは 男じゃないみたいです。
それと発音が違います。あなたには難しいです。
夫からなかなかOKが出ず、こんなやり取りが何度も繰り返されました。そうこうするうちに、とある名前が見つかり、夫もいいねと言うことになり息子の名前が決まりました。
消去法に近いような気もしますが、私たちは気に入っています。
正しく発音できる、多すぎないという条件をクリアできました。たまーに町でもこの名前を耳にしますが、クラスに必ずいるというほどではありません。
名前には意味や由来がある。
イスラム教徒との名前には意味や由来があります。私の息子は二人とも「預言者の1人の名前」ということでした。どんな人だったかをよく知らないので、特に嬉しいわけでもなく、由来はイマイチだなと言うのが本音です。
いくつか具体例をあげます。
名前 | 意味 |
---|---|
男性 | |
Mikail | One of Allah’s angel(アッラーの天使の一人) |
sofian | Sand storm(砂嵐) |
tariq | A late visitor (遅い訪問者) |
jiyad | Very good (とても良い) |
mansur | Divinely aided, victorious (神の助けを受けた、勝利を収めた) |
mamoon | Secure, fearless安全(大胆不敵) |
女性 | |
hasna | Pretty (かわいい) |
hibba | Gift from Allahアッラーからの贈り物 |
sofia | Beautiful (美しい) |
saadia | Lucky(ラッキー) |
sana | Resplendence、 brilliance、 to gaze(素晴らしさ、輝き、 見つめる) |
※見たサイトによって意味が違うケースもありました。
あくまで私個人の好みとして避けた名前。
・qを使う名前。異国感がありすぎると思ったのです。そもそも発音できませんが。
・長い名前。abdul○○(アブドゥラなんちゃら)という名前がありました。 abdulの後に何かが付け足されているパターンの名前です。 日本でいうと○○太郎的な感じなのかなと思ったりします。
アブドゥラーという名前もありますし、単独で○○の部分だけの名前もあります。そう考えると2つ分の名前の長さになるので呼ぶのが大変そうだなーと思ったのでした。
・日本語にした時の印象・雰囲気があまり良くない名前。
例えばガリという名前はモロッコ人にとっては普通ですが、日本ではガリといったら寿司屋のしょうが、痩せた人に付けられがちなあだな、ガリッという固い物をこすり付けたような擬音というイメージがありったのでNGとしました。
まとめ
次男からの「名前を付けた理由」という質問には、「ママが発音しやすくて、パパとママがかっこいいと思った名前をつけたんだよ~」と答えておきました。
息子はとりあえず納得したようです。日本人の名前のように名前に意味を込めてあげることはできませんでしたが、気に入っていてくれるといいなと思います。