私は夫の家族と同居しています。家族のことを書くとどうしても愚痴になってしまうのと、書きたいことが多過ぎて書ききれないという理由から避けていたテーマですが、気が向いたので書いてみようかと思います。
今回は大作ですよー。
恥ずかしい話はしないでくださいね。
3大ウザイ国のひとつのモロッコだよ?大変に決まってるじゃん!
「モロッコ人って優しいから家族と同居してもいいですよねー」とモロッコに住む日本人の方に言われたことがあります。彼女は家族と同居はしていません。
「そうですね。」とは答えたけれど、「本気?それならあなたは相当な甘ちゃんですね。」と心の声は言っていました。
夫は私が自分で決めた結婚相手ですが、義理家族はそうではありません。不平不満はあって当然です。
私が日ごろ嫌だなと思うことは
- 噓をつく(ささいな嘘ですけどね)
- 人の言うことは聞かない。自分のやりたいようにしかやらない。
- プライバシーの侵害
- ごめんなさい、ありがとうが言えない
ざっというとこんなところでしょうか。
こんなことがあった。ぼかいか事件簿
過去の出来事を事件ファイルとして具体例で振り返ってみます。
ファイル1 ごみを漁るのは誰だ?
モロッコでは、ロバに荷台を引かせてごみを収集する人が多くいます。朝の時間帯に何度も巡回しているので便利です。
「ズブルッ! ズブルッ! 」という声が聞こえたら、外へごみ出しに行きます。
私の家では各人が出すごみは家の中の一か所にまとめられ、義母がまとめてごみ屋さんに出すことになっていました。
ある日のことです。洗濯をしようと屋上に行くと、そこには義母が洗った洗濯物が干してありました。ふと見るとその中に、私が捨てたはずのパンティが干してあります。やめてと何度言っても私の出したごみをチェックし、拾ってくるのです。
不快に思うのは私だけでしょうか・・?
これだけでも気分が悪いのに、義母に言うと「知らない。汚れ物置き場に出してあったものを洗っただけ。拾ってない。ぼかいかの勘違い。娘(ぼかいかの義妹)の下着。捨てたものじゃない!!!」とやたら甲高い声でいうのです。
やたら甲高い声を出すときはかなり怪しいのだ。
それまでも、「私の勘違い」とされ、うやむやにされていたことが多くあったので、白黒はっきりさせてやろうと思いました。
これは、私が姉からもらった下着なのでよく覚えています。
間違えるはずがありません。
トリンプとかsloggiって書いてあるはずです。
日本製です。日本語ですから、ひらがなが混ざっています。
中国製ではありませんよ。モロッコには日本製品は多くありませんね?
だんなさん、あなたはひらがなはわかりますよね?見てください。
これは、ぼかいかの下着ですね…
お母さんじゃないなら誰でしょうね?
そういえばこの前、親戚の家に私が下着と一緒に捨てたはずのおもちゃが、たくさんありましたけど?
ドウシテカナー。
親戚の家で自分が捨てたものを見つけた時は、またやったなとは思ったのですが、スルーしていました。
タイヤが4個ともなくなった中国製のペラペラのプラスチックのミニカー。
日本から送ってもらったポンプを押すとジャンプするカエル。ポンプもなければカエルの両手両足もない、プラスチックのカエルの胴体。子供がもらってうれしいのだろうかと考えて私は捨てたのですが…。
さて、次に疑われるのは義弟です。彼は中古品を修理して販売する仕事をしています。遠慮せずに言えばごみを拾ってきて売る仕事。ごみは彼にとってお宝なのです。
あなたはぼかいかのごみを開け、ごみを拾いましたか?
義弟の答えは「拾ってない」です。でも、もし義弟が下着をとったのなら夫としては大問題です。さらに強く問い詰めたところ、
「おもちゃを拾ったのは自分だ。親戚の子供を喜ばせてあげたかっただけだ…。でも下着はとっていない。」と白状しました。
おそらくこれは本当。下着1枚ではお金にはなりません。変態でもないと思いますし。
では下着をとったのは誰か?普通に考えて次に疑うなら義妹です。義妹は結婚して家を出ましたが、彼女の夫は無職、夫婦で我が家にしょっちゅう泊まりに来ます。
この日は義妹が来ておらず、確かめることはできませんでした。
ぶっちゃけ、私はこの妹が苦手です。しかし夫にとっては大切な家族。特に夫は年の離れた妹をとてもかわいがっています。これ以上問い詰めたら、板挟みになる夫がかわいそうです。犯人捜しはここでストップ。
結局、うやむやになったままです。
下着は切り刻んでから捨ててください
ごみやさんにあげるつもりで切らなかったの。
業者なら嫌じゃないのよ。
要らないものはお母さんにあげていますよ。
下着は、お母さんも妹も明らかにサイズが違いますから
あげなかったんですけどね。
義母か、義妹だろうなとは思っていたところ、数日後、第4の容疑者が現れました。
義妹の夫です。私の子供たちが、「義妹の夫がこれ作ってくれたよー!」と持ってきたのは、私が下着と一緒に捨てたはずの子供のおもちゃ。中国製のプラスチックのトレーラー車だったのですが、これまた私の捨てたコーンフレークの空き箱を使ってセロハンテープべたべたのバスに変貌を遂げさせていました。
「ものを大切にするモロッコ人。」「子供に優しいモロッコ人」
見方を変えれば美談仕立てにまとめることもできます。しかしそれだけではないと思っています。「貧しいってこういうことなんだな」私が感じたのはこれです。
(決して貧しいことを馬鹿にしているわけではありません。)
そんな理由による行動なのかもしれませんが、とにかく家族全員にごみを見られている、これが私にはかなりのストレス、ゾッとすることなのです。
捨てても捨ててもごみが戻ってくるよ!
事件ファイル2 勝手に部屋に入らないでください。
私たちは同じ家に住んでいますが、義理家族とはフロアは別、台所、トイレ、シャワーなども別です。「勝手に部屋に入らないで欲しい」とは言ってあるのですが、部屋に鍵はかけていないので自由に出入りしようと思えばいくらでも入ってこれます。
そうなると、やっぱり入ってきちゃうんですよねぇ。私たちのいない時に入ってくるのです。私が気が付かなければ済む話なのですが、なぜか証拠を残しちゃう人たちなんです…。
また部屋に入られました。
勝手に入らないでと伝えてください。
入っていないって言っていますよ。気のせいじゃないですか。
(また嘘。ああ、めんどくさい!)
このビニール皮のソファには犬の足跡がたくさんついていますよ?
部屋の隅には、フンとおしっこもありますね。
私たちは出かけるとき、部屋のドアは閉めますよね?
犬は自分でドアを開けられませんよね?
どういうことかわかりますか?
私たちがいない時、お母さんが掃除したそうです。
うちの犬はお母さんが大好きだから付いてきちゃうんです。
だからさぁー、部屋に入ったってことだよね。
またこんなこともありました。モロッコに来て数年目のころの話です。独身時代に夫が中古で買ったテレビ用の棚がありました。側面は全体にガムテープ色の保護シートのようなものが貼られていました。ひどくべったりと貼り付いていたため夫があえて剝がさずにそのままにしていたものです。
それがずっと気になっていた私は、ある日、端のところを2㎝ぐらいだけはがしてみました。ゆっくりゆっくり、丁寧に引っ張ればきれいにはがせそうです。しかし、ちょうどその時に用事があったので、中断して出かけました。
家から帰ってくると、下の写真のようになっていました。
あぁー!勝手にはがされた!!
私が出かけるやいなや入って来たのね…。
ほんのちょっとしかはがしてなかったのに、見つけたんだ。目ざとい。
すごくはがしにくい状態になったんですけど!etc.
すごく見た目が悪い。不快です。
イシャム(夫の弟)が、剝離液を持ってるから大丈夫。
全然問題ない。後でやらせるから。心配しないで。
そういう問題じゃないんだよなぁー
謝ってとは言いませんが、「何も悪いことをしていない」という態度をとられるから腹が立つのです。
「ちょっとやってみたけどダメだったのー」ぐらいのかわいげがあれば、よっぽどいいのですがそんなことは全くないです。
こんなこともありました。
子連れで親戚が遊びに来ました。幼稚園に入る前の子供です。
その子は「絵本を見せて!」と私に言います。私はぞっとしました。
どうして絵本を持っていることを知っているの?
でもすぐ気が付きました。私は日本から送ってもらった荷物を大きな段ボール箱に3つ、重ねて部屋に置いていました。私の子供のために買った絵本が入った箱もあります。たぶんそれを見たのでしょう。
本を入れた箱は重いので一番下にしていました。上の二つの箱は大人でなければ降ろせません。そして一番下の箱の中身を見たのなら、ほかの二つの箱の中身も当然見たのでしょうね。徹底的にみられているということです。
別の日には子供たちが数人来たので、みんなで遊んでねと日本の100均で買ったボールを1つあげました。するとある子供が「1個だけ?1人1個づつ欲しい」というのです。
私が同じボールを複数持っていることを知っているようです。これは絵本とは別の部屋に置いておいたものですが、私の持ち物を全部把握しているのです。ただただ気持ち悪い。
私の子供に買ったものだからね。
あげなきゃよかったよ。
ただ、何かを盗まれたということはありません。彼らなりに善悪の線引きがあってそれに従って行動しているのだろうと感じています。「相手がどう思うか」ではなくあくまでも自分が基準です。
見るだけなら問題ない、減るもんじゃあるまいし、という認識なのでしょう、いくら「やめて」といっても勝手に入ることをやめないのです。
掃除をしてあげることはいいことです。
だからやめてといわれても部屋に入って掃除をします。
話が通じないのは言語のせいではないのです。
事件ファイル3 私の舌は教えてくれる。証拠の有無による明暗
モロッコのオレンジジュースはとってもおいしいと知られています。家庭でもオレンジを絞りジュースを飲むのですが、ある日、義母が「今日は甘みが薄い」と砂糖を入れていました。
お母さん、ジュースに砂糖を入れないでください。
健康に悪いですよ。
またある日、ジュースを一口飲むと甘い。私は砂糖が入っているとすぐ気が付きました。
ところが、悲しいことに夫は味の違いに気が付きません。
お母さん、砂糖入れた?ぼかいかが言っています。
入れていないよ。
というので、夫が全部飲み干すとコップの底からは溶け残った砂糖が見つかるのでした…。
飲んじゃったじゃないですか!!
「あ、この前言われたの忘れて入れちゃったー。ごめん、ごめん」などというのは絶対にありません。よく言われていることですが、モロッコ人はとにかく謝りたくないのです。
この時は「溶け残った砂糖」という物証がありますから、私が正しいことが証明されました。でも証拠がなければ、悔しい結果が待ち受けています。
金曜日はクスクスを食べます。毎週同じものですから、たまに味を変えることがあって、「スムン」という独特な香りのバターを入れることがあります。
ただ、このスムン、胃が弱い人にはあまりよくないと夫が聞きつけてきました。
ぼかいか、あなたは胃が弱いから、スムンは絶対に食べないでください。
おかあさん、クスクスにスムン入れないでください。
と言っていたのですが、ある日クスクスを食べるとスムンの味がします。別に義母を責めるつもりもなく、スムンがよくないことを私も忘れていたぐらいでした。
今日のクスクス、スムンが入っているねー。
え?私はわからない。お母さん、スムン入れた?
入れてないよ。いつもと同じ。日本人だから味がわからないんだよ。
100歩譲ってスムンを入れてないとしても、間違いなくいつもと味が違うのです。いつもと同じわけがないのです。でも証拠がなければこれで話は終わり。もやもやとした気持ちだけが残ります。
事件ファイル4 ぼかいか大暴れ。義妹と大喧嘩。
全部話すと長すぎるので事件の後半から。
いろいろいろいろ、いろいろいろいろあって普段から私は妹が苦手でした。
しかしある日、私の我慢の限界が来ました。それで思わず義妹をグーで殴りました。
(人に手をだすなんて、もちろん人生で初めてのことです。)
私のTシャツが破れるほど引っ張って反撃する義妹。それを止めようとする義母。振り払う私。そして。それを見た義弟が私をひっぱたきました。
「外に行きなさい!」と自分の息子、娘に言う義母。「ふざけんなよ!」と追いかける私。ぼかいか大暴れの巻です。
戦いの舞台は家の外へ。隣の家へ逃げる弟。泣き叫ぶ私の子供たち。騒ぎを聞いて近所の人が集まります。たくさんの知らないモロッコ人に囲まれ、私はすっごく怒られていました。
何の事情も知らない人たちに囲まれ怒られる恐怖、悔しさ、誰も味方のいない悲しさ。異国にいるんだなと実感しました。忘れることはできません。
義母の静止を振り払うのが悪かったっぽい。
親を敬いなさいというイスラム的な考えによると思われる。
子供たちが助けを求め電話をしたので、夫が慌てて帰ってきました。ここで騒ぎはSTOP。
私が最初に手を出して始まったことなので、私が悪いと自覚しています。もちろん夫にも怒られました。でも、私が一番怒られたことは何かわかりますか?
どうして外に出たんですか!喧嘩は中でやってください!
恥ずかしくて外を歩けません。
え、怒るとこはそこなの!?
モロッコは派手な喧嘩はたまに見かける光景です。私が思うより夫には衝撃はなかったのかもしれません。それよりも人の目を気にするのです。
そして1番怒られたのは誰か?それは、女性に手をあげた義弟です。夫と義母からこっぴどく叱られました。
私の奥さんです。私も殴りたいぐらいですよ。
こういってくれた夫には感謝。正直、ひっぱたかれたとはいえ強さはそれほどでもなく、一瞬のためらいも感じられました。基本的には善良な弟です。許してあげます。
妹はというと、「口の中からいっぱい血が出た」と被害者アピールです(怒)私のたった一度のヨワヨワ猫パンチ。もっと殴ってやれば良かったと思うぐらいです。
ただ、身長は私より低くいものの手足は大きいし、体重も相当あります。本気で戦ったら負けそうです。もう、喧嘩するつもりはありませんけど笑
武勇伝ができたわ!これは勲章だと思ってる。
まとめ
ほぼ愚痴の内容になってしまいました。ごめんなさい。
でも、これが現実。「モロッコ、カワイイー」、「モロッコジン、ヤサシイー」「モロッコ、スバラシイー」だけではモロッコで暮らせません。
同居して、うまくやっていける人もいますが私は人格者ではないのでやっぱりストレスは感じてしまいます。
義理家族と同居する理由は「貧しい家族を見捨てるわけにはいかない。面倒をみたい。」という夫のため、ただそれだけです。(決して夫の稼ぎがすごくいいというわけでもありません)
基本的には善良な人達ですし、義理の家族と同居することによって、文化をより深く理解できるというメリットもあります。悪いことばかりでもないというのもまた事実です。そう思って同居しています。
ただ、悪口だけで終わるのも何なんで言っておくと、モロッコの魅力って何だろうと考えたとき、悔しいけれど私の答えは「人。モロッコ人そのもの」であろうと行きつきます。
よくも悪くも強烈。予想外のことをしてきます。だからこそこの国での暮らしは楽しい・・のかもしれません。
まだまだネタはあるぜ!